- 言いたいこと、言って良かったと思えること
- 顔で笑って心で泣いて
-
2014.04.24 Thursday受講生の質問
「辛い体験をされた方が、顔では笑って話をなさる。この場合、(私が学んだ)カウンセリングでは、聴き手は笑ってはいけないと教わりました。相手の笑顔の方に合わせて聴くのか、それとも本当は辛いであろう気持ちの方に合わせて聴くのか。傾聴の場合はどうなのでしょうか」
「顔で笑って心で泣いて」という複雑な話し手の心情を聴き手が感受出来ていないということを傾聴における一番の問題と置けば、今回の場合はそうした心情を深く感受すればこその聴き手としての戸惑いでありご質問であるということが、まずは大切なのだと思うのです。
その上で、相手の笑顔(表層)の方に合わせるか、相手の心情(深層)に合わせるかは、どちらかに合わせるというより「どちらにも」合わせる姿勢。つまり相手が複雑な心情を抱えているのと同様、「(心のなかで)○○さんは、こういう時あえて笑うんですよね」とこちらも話し手の複雑な心情にチャンネルを合わせるように聴くことが、「顔で笑って心で泣いて」のどちらの気持ちをも包括的に受け止めていくということなのかもしれない。そうした片一方に偏らない姿勢を傾聴では受容と表現していはのではないかと考えてみる。
傾聴は相手の心情を暴くことではないので、複雑な心情に対しては「深入りしない」がセオリーであり、ご質問者も仰る通り、あえて気づきを促進させるような介入を試みるか、あくまでも「ありのまま」「いまのまま」の心情を聴くことだけに留めるかの違いが、カウンセリングと傾聴のひとつの境かもしれない。と考えさせられるご質問でした。
- 白熱教室
- 良い日について考える
- 人を活かす人、人によって活きる人
- 何かができない