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不妊治療をめぐるメンタルヘルス
不妊治療の現場(立川ARTレディースクリニック)でカウンセリングを担当し始めてから、5年という月日が経ちました。
まだまだ患者様の「心の支えになる」には程遠いという自覚を抱えている一方、この5年で蓄積されてきた「不妊治療をめぐるメンタルヘルス」の印象について、自分用にまとめたものをシェアしたいと思います。

不妊治療をめぐるメンタルヘルス

○状況による有利・不利
たとえば、患者様のお話に耳を傾けていると、診断された内容は同じであっても、その受け止め方や心理的なダメージはずいぶん異なることに気づかされます。そこには、状況による有利・不利があるのではないでしょうか。

 
A:妊娠に対する重要度の違い
B:不妊と診断されるまでの時間
C:納得できる原因のある・なし

A、妊娠に対する重要度の違い(重要度の強・弱)
妊娠をめぐる思い入れの強い方、あるいは周りからの圧力の強い方ほど、(その賛否ではなく)悩みは深刻になる印象。小さな頃から母親になることへの憧れ、ご主人に子どもを抱かせてあげたいなどの本人としての思い入れや、家族から跡継ぎの存在を強く期待されている、あるいは、周りの知人の出産による焦りなど、外からかかるプレッシャーによっても重要度が変わってくる。

B、不妊と診断されるまでの時間(予感の有・無)
自分の状態について、前もっての予感があったかどうか。不妊の事実を急に告げられた方ほど心理的なダメージは大きくなる印象。極端な例だが、たとえば思春期の頃から婦人科にかかり医師より何かしら妊娠についてのリスクや助言を受け続けていた方と、それまで特別意識を向けていなかった方とでは、告げられた診断を受け止めるための「心の準備」という点での差は生まれやすい。

C、納得できる原因のある・なし(納得感の有・無)
妊娠しにくいという事実に対して、そこに「(本人として)納得できる原因があるかどうか」というのも、心理的な疲弊に何かしらの影響を与えている印象。原因が不明であることで専門家からの助言も曖昧になりやすく、治療に取り組んでいるという実感をどうしても得にくい。もちろん、これは「だから原因が告げられている方が気が楽く」ということではありません。

以上、あくまでもお話を聴く側からの視点ではありますが、上記のA・B・Cに対して、たとえばカウンセリングにお見えになる方は、上記の内の1つ、もしくは複数の背景を抱えていらっしゃることも多く、言い換えれば、上記に当てはまる場合は、心理的な動揺があって自然なことですので、お一人で抱え込み過ぎず、心ある方にこころの内をお話してみるのもひとつかもしれません。
author:さわむらなおき, category:不妊治療のこと, 14:22
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